この記事には自社商品の案内を含みます。
はじめに
原材料費、燃料費、労務費が上がっているのに、販売価格をそのままにしていると、気づかないうちに利益が削られます。
ただ、値上げは感覚だけでは決めにくいものです。
- どの商品を優先して見直すべきか
- 取引先ごとに利益率がどれくらい違うか
- 何円上げれば目標利益率に届くか
- 値上げしない場合、年間でどれくらい利益改善余地を逃すか
この4つを分けて見ると、値上げ判断はかなり進めやすくなります。
1. まず現在の利益率を見る
最初に見るべきなのは、現在価格でどれくらい利益が残っているかです。
基本式は次の通りです。
利益額 = 現在単価 - 原価
利益率 = 利益額 / 現在単価
たとえば、現在単価が1,000円、原価が760円なら、利益額は240円、利益率は24%です。
ここで大事なのは、商品単位だけでなく、取引先単位でも見ることです。同じ商品でも、取引先ごとの販売価格や条件が違えば、利益率も変わります。
2. 目標利益率を決める
次に、最低限守りたい利益率を決めます。
たとえば目標利益率を30%にする場合、原価から逆算して必要な単価を出します。
目標単価 = 原価 / (1 - 目標利益率)
原価が760円、目標利益率が30%なら、必要な単価は約1,086円です。
実務では1円未満を切り上げ、目標利益率を下回らない整数単価にするのが分かりやすいです。
3. 必要値上げ額と値上げ率を見る
目標単価が出たら、現在単価との差を見ます。
必要値上げ額 = MAX(0, 目標単価 - 現在単価)
必要値上げ率 = 必要値上げ額 / 現在単価
現在単価1,000円、目標単価1,086円なら、必要値上げ額は86円、必要値上げ率は8.6%です。
ここまで出すと、取引先へ説明する時にも「何となく上げたい」ではなく、「原価と目標利益率から逆算すると、この金額が必要です」と整理できます。
4. 年間利益改善余地を確認する
値上げ判断では、1個あたりの差だけでなく、年間の影響も見る必要があります。
年間利益改善余地 = 必要値上げ額 × 月間販売数量 × 12
必要値上げ額が86円、月間販売数量が300個なら、年間利益改善余地は309,600円です。
これは、現在の販売数量が変わらない場合の概算です。実際には値上げ後の数量変動もあるため、最終判断では取引先との関係や代替品の有無も考慮します。
5. 優先順位は年間影響が大きい順にする
すべての商品を一度に見直すのは大変です。
まずは次の順番で見ると進めやすくなります。
- 年間利益改善余地が大きい商品
- 現在利益率が低い商品
- 月間数量が多い商品
- 原材料費や労務費の上昇説明がしやすい商品
利益率だけを見ると小さく見える差でも、数量が多い商品では年間影響が大きくなります。
6. Excelで管理するときの注意点
Excelで値上げ判断表を作る場合は、入力セルと計算セルを分けるのがおすすめです。
- 商品ID、取引先ID、原価、現在単価、月間数量は入力欄にする
- 現在利益率、目標単価、必要値上げ額は計算欄にする
- 未入力行は0ではなく空欄表示にする
- 目標単価は切り上げで計算する
- 取引先別に見られるようにする
この形にしておくと、入力ミスや見落としを減らせます。
無料:1商品分の値上げ額を試算
初期値は説明用の仮の数字です。入力値はこの計算処理から送信・保存しません。数量予測や税務判断は行いません。
試算結果
- 値下げせず目標を満たす単価
- 必要な値上げ額 / 1個
- 現在の月間粗利
- 数量が変わらない場合の月間粗利
これは需要予測ではありません。販売数量が減ると、粗利が下がる場合があります。原価に含めていない送料・販売手数料・固定費・税金などは控除していません。赤字・粗利ゼロの場合は、数量維持の目安を表示しません。
1商品だけならこの無料試算で足ります。複数商品の入力・結果を保存したい場合は、PC単品とセット版の内容・価格を比較できます。これはExcelの実画面や全機能の体験版ではありません。
値上げで数量が減ったら?同じ粗利を保つ販売数の例
以下は説明用の仮の数値で、実績や需要予測ではありません。原価700円の商品を900円で月100個販売していると、入力原価を引いた粗利は(900-700)×100=20,000円です。
原価が変わらず1,000円へ値上げすると、1個あたりの粗利は300円。同じ20,000円を保つには20,000÷300=約66.67個、整数では67個が必要です。
| 値上げ後の月間数量 | 粗利合計 | 値上げ前との差 |
|---|---|---|
| 100個 | 30,000円 | +10,000円 |
| 90個 | 27,000円 | +7,000円 |
| 80個 | 24,000円 | +4,000円 |
| 70個 | 21,000円 | +1,000円 |
| 67個 | 20,100円 | +100円 |
| 60個 | 18,000円 | -2,000円 |
67個なら20,100円、60個なら18,000円です。「100円上げれば必ず得」ではなく、どれだけの数量を維持できそうかも確認します。ここでの粗利は売価から仮定した原価だけを引いた額で、固定費や追加の販売手数料・送料等は含めていません。税の扱いも統一して比較してください。
必要な月間数量 = 値上げ前の粗利合計 ÷ (値上げ後単価 - 1個あたり原価)
この式は値上げ後単価が原価を上回る場合の単純比較です。原価が変わるなら新しい原価で計算し直します。紹介している値上げ判断Excelの年間影響は数量一定の試算であり、需要減少を自動予測する機能はありません。この表は記事内の説明例です。
まとめ
値上げ額を決める時は、感覚ではなく次の順番で整理します。
- 現在利益率を見る
- 目標利益率を決める
- 必要単価を逆算する
- 必要値上げ額と値上げ率を見る
- 年間利益改善余地で優先順位を決める
この流れを商品別・取引先別に見える化すると、値上げ判断と説明準備がしやすくなります。
入力から結果確認までの図解
以下は項目を見やすく整理した説明用の図解です。実際のExcel画面とはレイアウトが異なり、数値・社名は仮の入力例です。販売実績や利益の保証を示すものではありません。ココナラのPC単品に届くファイルは空欄版です。


「はじめに」で流れを確認し、設定と商品・取引先を登録したら、原価入力と価格入力を進めます。結果は「値上げ判断」「年間影響」「印刷用サマリー」で確認します。年間影響は販売数量が変わらない場合の概算です。
計算表が必要な方へ:PC単品とセット版の違い
1商品だけの計算なら、この記事の式を電卓やご自身のExcelで試せます。商品・取引先ごとの入力や集計をまとめたい場合は、次の完成品をご検討ください。どちらも自社商品です。
| 比較項目 | PC単品 | PC・スマホセット |
|---|---|---|
| 販売先 | ココナラ | BOOTH |
| 販売価格 | 1,500円 | 1,980円 |
| Excel | PC空欄版1ファイル・最大100明細 | PC版最大100明細とスマホ簡易版最大10明細。各入力例版・空欄版 |
| 説明 | ファイル内の使い方シート | 操作説明PDFなどを同梱 |
| 向いている用途 | PCで自分のデータを入力して使いたい | 入力例と別冊説明を見たい、スマホ簡易版も使いたい |
PC版はMicrosoft Excel 2019以降を推奨。マクロなしのxlsx形式です。Excelの利用料は含みません。値上げ依頼文の自動作成、個別改修、入力代行、即時サポートは付属しません。
PC・スマホセットの内容をBOOTHで確認する(1,980円)
価格・内容は2026年9月25日確認。購入前に販売ページの最新表示をご確認ください。
注意: 本テンプレートは経営判断を補助するものであり、税務・会計・法務・価格交渉の専門助言ではありません。実際の価格改定は利用者ご自身の責任でご確認ください。

コメント